刑事施設(留置場・刑務所関連施設)での新型コロナウィルス感染対策

集団感染 気になる話題

世界的に猛威をふるう新型コロナウィルスですが、日本ではマスクや消毒液が不足する事態に陥り全国都道府県では、外出自粛要請などが要請されています。

厚生労働省は、「クラスター(感染者の集団)」が発生しやすい条件として「屋内の閉鎖的な空間で人と人が至近距離で、一定時間以上交わること」として、具体例では「ライブハウス」や「スポーツジム」、「屋形船」などを挙げている。

厚生労働省が挙げる「屋内の閉鎖的な空間で人と人が至近距離で、一定時間以上交わること」という条件は、刑事施設(留置場・拘置所・刑務所)にもピタリと当てはまるのではないでしょうか。

刑事施設(留置場・拘置所・刑務所)のような閉鎖空間でひとたび集団感染が起きれば、どのようなことになってしまうのでしょうか。

刑事施設(留置場・拘置所・刑務所)での感染予防対策はどのようにおこなわれているのか、調べてみました。

警察(取調べや留置場)での感染症予防対策

警察庁は、全国の警察に取調べや留置場の感染症予防対策を指示しています。

留置管理業務

  • 新規入場手続をはじめ、被留置者を取り扱う際は、マスクと手袋を着用するとともに、こまめに、石けんによる丁寧な手洗い、アルコール消毒液による手指消毒を行うこと。
  • 被留置者の居室については、可能な限り、1人1部屋とするほか、運動、入浴等の起居動作を行わせる際にも、単独で行わせるなど、被留置者を相互に接触させないように注意すること。
  • 被留置者の体調や言動を観察する際には、感染経路が不明な感染者が発生している現状を踏まえ、幅広く感染の可能性を念頭に置いた対応をとること。また、被留置者の体調に応じてマスクの着用を促すなど適切に対応すること。
  • 新たに被留置者が入室する場合等、被留置者が入れ替わる際は、居室内において被留置者が頻繁に触れる箇所等について、所要の消毒措置を行うこと。
  • 留置担当官等が留置場内に入出場する際には、手洗いや消毒液の使用等の感染症予防対策を徹底すること。
  • 換気装置及び空調設備を適切に使用すること。また、清掃時、入浴時のほか、新型コロナウイルス感染症が発生し、又はそれが疑われる場合には、必要に応じて窓を開放するなど換気に努めること。
  • 工事業者等の留置施設に出入りする契約業者等の部外者については、新型コロナウイルス感染症の感染者や感染の疑いのある者等と接触の機会があった者等の施設内への立入りの自粛を要請するなど、必要な感染予防対策に関する注意喚起や協力依頼を行うこと。

取調べなど

  • 新型コロナウィルスに感染が疑われる容疑者の取調べなどの際、必要に応じて手袋やマスクを着用すること。
  • 飲酒運転の取り締まりでは、ドライバー自身に簡易検知器で測定してもらうことにより不要な接触を避けること。

刑務所関連施設(刑務所・拘置所など)の感染症予防対策

法務省矯正局の担当官によると全国の刑務所関連施設に向け感染予防策を文書で通達しているそうです。

  • 施設職員の手洗い、うがい、マスクの着用の徹底
  • 服役前に保釈されていた人など外部から来る一部の受刑者について別棟で隔離
  • 定期的に行われている慰問ボランティアの受け入れ停止

新型コロナウィルスの蔓延で社会ではマスクをした人が溢れていますが、受刑者はマスクなしで生活しているそうだ。

受刑者のマスク着用の運用については、公式の取り決めがあるわけではないが、保安上の観点から受刑者にはマスクを着用させないほうがよいであろうというのは関係者の共通認識のようだ。

それは、受刑者にマスクを着用させると受刑者がどんなことを考えているか、どんな気持ちでいるか、表情から情報が得られなくなる為だと刑務官は語っています。

海外の刑務所で起こっている事

タイの刑務所で暴動 新型コロナのうわさ引き金に

  • タイ東北部ブリラム県の刑務所で29日、新型コロナウイルスが所内で発生したといううわさが引き金となって暴動が起きた。受刑者は食堂や面会室に火を放つなどして暴れ、10人が脱獄した。
  • 警察や軍が鎮圧に当たり、脱獄者のうち9人を拘束。受刑者6人が負傷した。ソムサック法相は「終身刑を言い渡された受刑者がウイルスのうわさを広めて扇動した」と語った。刑務所は2200人の受刑者を収容している。

イラン刑務所で新型コロナ流行懸念、7万人釈放も「不十分」国連報告者

  • イランの刑務所内で新型コロナウイルスの感染が拡大しているとの懸念が浮上する中、イラン当局は抑止措置として受刑者7万人を一時釈放した
  • イランは新型ウイルスの発生地となった中国以外で死者が多く出ている国の一つ。
  • イランの刑務所内で感染が拡大していることが示唆されていた。
  • 一時釈放されたのは禁錮5年以下の受刑者のみで、政治犯や外国籍・二重国籍の受刑者は対象外だという。

刑務所屋上を受刑者が占拠、新型コロナ予防措置に抗議 イタリア

  • 欧州における新型コロナウイルス感染の流行地となっているイタリア・ミラノの刑務所で9日、流行阻止のための新規定に抗議する受刑者らが、屋上を占拠し抗議した。
  • ミラノにあるサン・ビットーレ刑務所で屋上を占拠した受刑者約10人は、地上から警官や看守が見上げる中、抗議のスローガンを叫んだ。

新型コロナで受刑者が暴動 コロンビアの刑務所で23人死亡

  • 南米コロンビアの刑務所で新型コロナ対策の対応をめぐり、受刑者らの暴動が起き、23人が死亡した。
  • コロンビアの首都ボゴタの刑務所で、21日、新型コロナウイルスの衛生対策が不十分だと訴えた受刑者らの暴動が起き、23人が死亡した。

NYの刑務所でコロナ感染拡大 高齢の受刑者など300人釈放へ

  • アメリカ国内で新型コロナウイルスの感染者が特に多いニューヨーク市は、刑務所でも感染が広がり始めていることから、感染すれば重症化しやすい高齢の受刑者や持病のある受刑者300人を釈放する方針を明らかにしました。
  • 「70歳以上か持病のある受刑者は刑務所にいるべきではない」と述べ、高齢の受刑者や心臓病などの基礎疾患がある受刑者で、暴力をともなわない比較的軽い罪で刑に服し、残りの刑期が1年以内の300人を釈放する方針を明らかにしました。
  • 全米の感染者の3割を占めるニューヨーク市では、今月22日、市内の刑務所で受刑者や職員46人の感染が明らかになり、対策が検討されてきました。

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