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外に出たい。とにかく外に出たい。今すぐここから出してくれ。別件でこれから再逮捕されるか任意の捜査になるか分からないけどこのまま勾留されてここからしばらく出れない事はほぼ確定している。そのことを考えると狂いそうになった。
接見禁止が付いてると彼女や家族との面会や直接の手紙のやり取りが出来ないから本当に狭い世界で生きてるようだった。進撃の巨人の壁の中の社会より狭い世界だ。
接見禁止が付いている留置場生活の中で顔を合わせるのは、同じ居室の同居人(容疑者)、鏡越しで顔を合わせながら会話できる隣部屋の住人(被告人)、その隣の部屋の住人(容疑者)、担当さん達10人ぐらい(警察官)、担当刑事(警察官)、担当刑事の相方(警察官、毎回変わる)、担当検事(検察官)、食事を運んでくる業者の人ぐらい。20人にも満たない世界。
閉じ込められている閉塞感、就寝時間でも明るい留置場、心を開いて話せる彼女、家族、友人と会えないストレス、何もかも日常生活からかけ離れている留置場生活に心身ともに本当に疲れている。もうどうなってもいい的な投げやりな気持ちになってたと思う。
そんな接見禁止付き勾留の心の支えは、弁護士の接見。この状態での一番距離が近い味方、弁護士先生。
以前にも書いたが、私が選任していた弁護士は本当にまめな人でほとんど毎日接見に来てくれる。夕方に来てくれたり、時には夜中に来てくれたり、中間調べの時に地検にも来てくれたりとフットワークが軽い。
色々頼みたい外の用事とかが沢山あった私は、本当にこの先生に助けられた。
この日は、少し前に頼んでおいた自分が再逮捕されるかもしれず勾留が長引く旨を近しい人に伝えて欲しいとメモ書きを託した返事が来てると先生は接見に来てくれた。
これも以前に書いたかもしれないが弁護士との接見は、秘密交通権というものがあって二人だけで警察官の見張りもつかず接見が出来る。
接見室のアクリル板越しに私の両親から預かってきてくれた手紙を見せてくれた。
その内容は、ここに詳しくは書かないが両親は、こんな私の事を信じてくれているし励ましもしてくれていた。警察や検察の取調べには、嘘偽りなく誠意をもって臨みなさいと。気が早いがもし不起訴で釈放されたり、もし起訴されても保釈が通ったら一度実家に帰ってきて詳しく話をするようにと書いてあった。
その手紙を読んだ私は、弁護士の先生が目の前に居るのに涙が出そうだった。
弁護士との接見も早々に切り上げ、自分の居室に戻り考え事に耽った。
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