勾留9日目‐彼女からの差し入れ【体験談16】

差し入れ品1 逮捕体験談

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勾留9日目、逮捕されてから12日目。身柄を拘束されてから10日以上が経過した。

留置場には、毎日毎日様々な人々が様々な罪状をかけられ入ってきたり、また保釈されたり釈放されたりしている。

本当に色々だ。その筋の親分さん、チンピラの兄ちゃん、非行少年、特殊詐欺のかけ子・受け子、痴漢や盗撮、ホームレス、何をしたのか痴呆症のおじいちゃん、LGBTの人、覚醒剤の売人・中毒者、麻薬の売人・中毒者、大麻の売人・大麻所持、窃盗の常習犯のおじさん、酒に酔って暴れた人。

差し入れが毎日の様にたくさん入る人、全く差し入れしてもらえない人。毎日の様に面会に来てもらえる人、弁護士の接見すら一切無い人。自弁の昼食を毎日頼む人、無一文で留置場に入ってきて自弁を頼めない人。

全員に共通している事が一つだけ。当たり前のことだけど全員逮捕されて留置場に居る事だ。

入ってきて2~3日ですぐ出ていく人も居れば余罪がたくさん見つかり起訴されては再逮捕、起訴されては再逮捕が延々と続き1年以上留置場に勾留されている人、起訴されて余罪で他の警察署に移送される人、起訴されて拘置所に移送される人。

10日以上、留置場に居ると中々外の世界では会えないような人に遭遇する。

居室を引越して新しく同居人が出来たから朝の掃除を二人で手分けして済まし、食事も決しておいしくはないが一人で食べるよりはまだマシだった。

同居人の23番は、差し入れがたくさん入ってくる人で本をたくさん持っていた。週刊誌にファッション誌(ちょい悪オヤジの風貌なだけあってLEON)、小説にマンガ。23番はそれを「もしよかったら読んでね」とか言って貸してくれるから退屈はしのげた。本当は、留置場内で人との間で物の貸し借りは禁止されているんだけど黙認されていた。

この日は、取調べもなく一日延々と暇だったから、本を読みまくったり23番と一緒に筋トレをしたりして過ごした。

23番は、あまりおしゃべりをするほうではなかったけど、人と居るほうが一人でいるよりは暇もつぶせるし心も安定した。

夕方まで結構早く時が過ぎた。担当さんが「15番差し入れ~」と荷物を持ち2号室の前に立った。

差出人を見ると彼女からだった。担当さんと荷物を開けるとTシャツ、パンツ、靴下、ハンカチタオルが3組ずつ雑誌が6冊入っていた。

「確認したら持ってくるから」と言って荷物の検閲の為、担当さんが一度荷物を留置場の外に持っていく。

しばらくすると、「点検大丈夫だったから持ってきた」と担当さん。

私も荷物を一つずつ確認してロッカーにしまうものは、担当さんに頼みロッカーにしまってもらった。

Tシャツ、パンツ、靴下、ハンカチタオルは、新品だったけど洗濯してあって柔軟剤の良い香りがたっぷりついていて、最近では慣れてしまっていた留置場独特の変な臭いを紛らわせてくれた。

本当に気の利いた彼女に感謝して、涙が出る程うれしかったけど同じ部屋に23番が居て嬉しそうにしてる自分を見ていたから涙は流せなかった。

明日は、勾留期限の10日目。弁護士が曰く「10日延長されますよ。」との事だったが、私は、淡い期待を持って明日を迎えようとしていた。

勾留10日目‐勾留延長かどうか【体験談17】に続きます。

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