勾留13日目‐勾留中の不安定な精神状態【体験談20】

不安定な精神状態 逮捕体験談

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留置場の中では、精神状態が安定しなかった。普段外での生活の私はそんなに精神的に波があるほうではないと思う。

留置場で生活しているとその環境自体には少しづつ慣れていき、風呂に入れなかったり、着替えがあまり出来なかったり、トイレがほぼ丸見えだったり、食事がおいしくなかったり、閉じ込められていて自由に外に出れなかったり、常に監視されていて多少の不自由はあるもののそれなりに生活している。

でも、夜はあまり眠れないし、食欲もあまりないし、起床時に目を開ければ牢屋の中で現実を見て最悪な気分になるし、急に外に出たくて出たくて仕方ない気持ちになったりする。逃げたい訳でもないし(逃げれるものなら逃げたいけど)、逃げるつもりもない。留置場から逃走しても逃げきる自信なんてこれっぽっちも無い。もし逃げて逮捕されれば罪を重ねる事になる。それはバカだ。ただただこの牢屋からすぐそこの廊下にでもいいから自分の意志でこの牢屋から出たい気持ちでいっぱいの瞬間が度々あった。

しかし現実今おかれている立場は、留置場担当警察官が牢屋のカギを開けて外に出ろと指示した時にだけ。勾留中牢屋の外に出る時と言ったら、取調べの時、地検に行く時、平日朝の運動の時間、5日に1度の入浴時、1日2度の洗面の時、そんなもんだ。しかも取調べの時と地検に行く時は手錠に腰縄。

とにかく精神状態がぐちゃぐちゃでやばい状態だった。留置場では、警察官たちが被留置者の自殺を一番注意深く監視してるといってもいいぐらい被留置者の自殺を懸念しているが、その理由が少し解る気がした。

そんな精神状態を癒してくれる物や場面は、留置場には少ない。

その中でもこの状態を癒してくれるというか忘れさせてくれるのは、やはり読書だろう。

普段の外での生活では、小説とかあまり読まなかったがこの留置場生活だと1日に2冊とか没頭して読んでしまう。ここの留置場にはそこそこの種類の小説の文庫本が貸し出されていた。彼女や知人が差し入れてくれた本や雑誌もありがたかった。

日記をつける事も良い経験だった。読書同様、外の生活では日記をつける習慣はなかったが、辞書を使いながら忘れていた漢字をノートに書くという行為は適度に頭を使い良い気分転換になった。それにある意味貴重なこの生活やその時の感情を残せてよかったと思ってるし、それを基に今こうしてインターネットを通じ公開する事も出来ている。

あとこの殺風景で何の変化もない変な臭いの留置場では、彼女が差し入れてくれた洗濯をして柔軟剤の香りが付いたスウェットやパンツ、ハンカチタオルが私の心を癒してくれた。

留置場では、各部屋毎に週に1度、洗濯の日が決まっていて私が居る2号室は火曜日だったが、留置場の洗濯には出さず、弁護士に宅下げしてもらい彼女に洗濯してもらいまた差し入れてもらうという事をしていた。

接見禁止が付いていて直接コンタクトは取れなかったけど彼女や知人からの差し入れや洗濯物の宅下げをしてもらっていた事でかなり精神的には助けられた。

勾留14日目‐弁護士の方針【体験談21】に続きます。

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