昨日別件での再逮捕から一夜明け、今日は地検への長い一日が始まる。
起床後の一連の流れをこなし、迎えの護送車が来るまで居室で待機。
いつものように担当さんが居室前まで迎えに来て檻の外に出され留置場内の出入り口付近で手錠・腰縄、他の人との腰縄数珠繋ぎをしてまた少し待機。
今日は、自分含めて地検行きは3人。その中の1人は少年だった。この少年は、私が最初に逮捕・勾留された時から居るし地検に行く時何回か一緒になっていた。周りの人の話によるともう半年以上この留置場に居るらしい。一体この少年はどんな罪を犯してしまったのだろう。やっぱり今流行りの特殊詐欺の受け子とかかな。半年以上となると何回再逮捕されているのか?留置場では成人と少年は、居室はもちろんの事、運動も洗面も風呂も完全に隔離されているので直接聞くことも出来ない。
地検へ向かうバスの中では、外の景色が見れてうれしい反面、何か外が遠い手の届かない国に感じられて切ない気分にもなる。バスの中では毎回担当の警察官が一語一句違わない地検・地裁についての説明・注意事項を話している。きっと毎日同じことが繰り返されているのだろう。
地検地下の出入り口に着きバスを降ろされる。いつものようにバスの降り口にいる警察官が「1名、2名、3名、4名・・・異常なし」地検の入り口で「1名、2名、3名、4名・・・異常なし」さらに同行室の入り口で「1名、2名、3名、4名・・・異常なし」相変わらず異次元の雰囲気を醸し出している。正直かなり怖い。
金属探知機などで身体検査をされ同行室の中へ入れられ、待機させられる。
待機していると他の警察署などから続々と数珠つなぎの人々が地検へ送られてくる。そんな様子を見ていたら、なんと私と共犯関係である一人の顔を見つけた。逮捕・勾留されてから一度も顔を合わせていなかったし多分意図的に顔が合わないよう考慮されていたと思う。なのに今回初めて顔を合わせた。久しぶり!
私は見張りの警察官にばれないようにその彼に笑顔で合図を送った。彼が私に気付いた事はアイコンタクトがあって分かったが彼の前には鬼のように怖い警察官が居て彼ら今到着したばかりの数珠繋ぎ達の身体検査をしていたのでリアクションは無かった。もっともリアクションが見張りの警察官にばれたらすごい剣幕で怒鳴られるしその日1日ずっとマークされる事になる。
同行室の中で私は、仲間の顔を見れて安心した気分になった。この日彼の顔を見たのはこの時だけだったけど。
同行室での長い長い待機の後、検事に呼び出しされ前の事件の時と同じ検事に取調べを受けそれに答え、自分の事情を検事に話して捜査には全面的に協力するから勾留の期間をなるべく短くしてほしい旨を伝えた。
検察の新件調べもサクッと終わり同行室で長い長い待機。出来るだけ心を無にしつつ、姿勢を正し帰りの時間を待った。
全ての人の取調べが終わりやっと帰れる。帰れるといっても留置場にだけど。
夕方に留置場に帰還し同居人と他愛もない話をしながら夕飯や洗面、就寝準備をこなしあっという間に就寝時間になった。
そんな時間に弁護士が面会しにやって来た。
話しを聞いてみると検察から勾留請求される事、今日地検で会った奴以外、共犯関係で再逮捕は無く保釈を申請している事、そして保釈は通りそうな事を聞いた。良かった保釈許可されるっぽい。
こんな事は早く終わって私も外の世界で再起したいと心から思った。
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