再勾留8日目-留置場出会い別れ【体験談36】

友人と乾杯 逮捕体験談

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留置場で約一ヶ月生活していると本当に様々な多数の人達が出入りしている事を知る。

日本人はもちろんの事、中国系の人、中東系の人、白人系、よぼよぼで少し呆けちゃってるようなおじいさん、元気なおじいさん、反社的な人、真面目そうに見える青年、薬物中毒の人、輩みたいな人、少年(未成年)等々

留置場では、日本人の刺青率も相当高い。言い過ぎかもしれないが半数以上刺青入れてる。ワンポイントのものから筋彫り全身カラフルまで。ある人は、結構パクられてる期間が長いから筋彫りから先に進めないと笑いながら言っていた。

話し好きな人、全く話さない人、これも両極端で存在する。話し好きな人は、居室内ではもちろん話すがそれでは飽き足らず居室が一緒じゃなくても大声で横の部屋の人にも話しかけまくる。逆に話さない人は23日間そこに居ても声すら聞いた事が無い人も居る。

私は、人と話すことが嫌いではないので色々な人と話をした。

話してみても全く話しが合わない人も居たし、意気投合して連絡先の交換をした人も居たし、中で知り合った人の外に居る友人に彼の近況を伝えてあげた人も居た。

留置場の中で連絡先の交換なんて出来るのか?って思う人も居るかもしれないが一昔前は厳しく制限されていたようだが最近では見過ごされているようで堂々と連絡先を聞きながらノートに書き留めたりした。

留置場で共に生活していると自然と連帯感が生まれてくる。留置場とはそうゆう場所だと思う。もちろんそうじゃない人々も居る。

今日は、私と留置場で仲良くしてくれていた(自弁仲間)3番さん(覚醒剤の売人、本人は薬物をやらない、見た目スキンヘッドでめちゃ怖い)が先日検察から起訴され拘置所に移送される日だった。否認事件だったようで保釈の許可が下りないようだ。

留置場から拘置所への移送は、午前中に行われるようだった。

3番さんは、担当さんに付き添われロッカーの整理をし留置場を出ていく際に私の居室前に来て「もうあっち行くからさ、世話になったね。もし、俺が懲役行かないで済んだらさ飲みにでも行こうよ、確率は半々かな。○○君は、執行猶予で済むから平気だよ。所でズクはもつのかい?もし持たないんだったら仲間に差し入れさせるよ。」と笑顔で話しかけてきた。

ズクというのは、お札を10枚一束にまとめたもので主に賭博用語である。

ズクって意味は知ってたけど普通に使ってる人に初めて会った。心の中で「この人は、悪(ワル)だな」って思いながらとぼけて「ズクってなんですか?」って質問し返した。

3番さんは「お金お金。お金の事だよ。」と笑顔で答えた。

私は、「お金なら持っているので平気です。今までお世話になって色々勉強させてもらいました。お気遣いありがとうございます、お体には気を付けて下さい。弁当(執行猶予)貰えるといいですね」と笑顔で答えた。

3番さんは、「そうか。じゃあ元気でね」と去っていった。

私は、3番さんと留置場で最後のやり取りを考察した。本当に善意でお金を差し入れてくれようとしてたのか?他に何か狙いがあったのか?怖い怖い。色々考えたんだけど今となっては真実は判らない。ただ借りを作らなかったことは正解だったと今でも思っている。

再勾留9日目‐本日は木曜日【体験談37】に続きます。

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