再勾留7日目‐保釈の準備【体験談35】

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昨日、担当さんに伝えられたように地検にて検察調べ。

週2回しか入れない入浴の日でもあった。地検に行くメンバーは一番最初に風呂に入れる。一番風呂はもう最高、留置場の風呂は最後のほうになればなる程、本当に汚くて気持ち悪い。皆、週に2回しか風呂に入れないので汚くなってしまうのも当然だと思う。

留置場での入浴は、本当に数少ない楽しみのひとつであった。普段あまり話せない別の部屋の人とのコミュニケーションの場にもなっている。

入浴が終わり地検へ出発の準備を済ます。

担当さんに呼ばれいつもの様に手錠をかけられ腰縄をし、地検に行く他の人と数珠繋ぎされ護送バスを待つ。

バスを待つ間に担当さんが「この警察署は地検から少し遠いからめんどくさいだろ?」と言ってきた。私は、「いやいや、外の景色が見れるから寧ろ長いほうが嬉しい」と答えた。担当さんが「そうか。そうゆうもんか。」と笑顔で答え私も「そうですよ。」と答えた。

護送バスに乗り込みいつものように担当警察官が一語一句同じ説明をしている。私は、窓の外を眺めながらあと数日で外に出れる。早く外に出たいなと呑気に考えていた。

点呼・身体検査をし、同行室に詰め込まれる。いつも通り地獄の様な長い長い1日の始まりである。

地方検察庁同行室見取り図
地検同行室の見取り図

同行室で同部屋になった人の中に少し様子がおかしい人が一人居た。ずっと何かぼそぼそ独り言を呟いていた。よく聞いてみると「ぽっぽっぽっ、ぽくぽくぽくぽく、今日絶対家に帰る。絶対に家に帰る。 絶対に家に帰る。

うわっ、怖い、その人から目が離せない。その人は、何をしでかすか分からない雰囲気があった。

地検同行室では、私語厳禁である。少しでも話し声が担当警察官に聞こえればすごい剣幕で怒鳴られる。何回も見た経験がある。それなのにこの人にはお咎めなし、何だこれは。

その人はずっと「ぽくぽくぽく」とか言ってて、時折、担当警察官に「すいませーん。今何時ですか?」とか聞いてる。トイレに立ちトイレを済ませ男性の局部を丸出しでニヤつきながら自分の席に戻り「すいませーん。今何時ですかー?」の繰り返し。w

地検同行室には時計が無い。勿論誰も時計を持っていないので担当警察官に時間を尋ねる事は自由である。きちんと答えてくれる。しかし、その人は5分おきぐらいに「すいませーん。今何時ですかー」と聞いていて、何回目、いや何十回目かの問いに担当警察官もしびれを切らし怒鳴りながら怒っていた。

怒られると少しの間は静かになるんだけど一連の流れを1日中繰り返していた。

1日中その人から目が離せず何をするか分からない緊張感と心の中での笑いで比較的早く時間が過ぎて行った。

留置場に帰りあの人の話題をしながら夕飯などを済ませ、就寝前に弁護士との接見。

まだ許可が下りるかはわからないが保釈請求が迫り自宅に帰る準備を少しずつ考えなければならない。保釈金は誰が弁護士に預けるかとか、1カ月余り過ごしてきた留置場には差し入れしてもらった本やスウェットやTシャツ、パンツ、靴下などの衣服が有り余っていた。自分のロッカーには収まりきらず留置場外の場所で領置してもらっていた位であった。それをどうやって持ち帰るかだとか。

弁護士と話し合う中で保釈金は彼女から振り込みをしてもらい、荷物の持ち帰りは大きめのバックとキャリーケースを差し入れしてもらう事になった。

担当さんにバックとキャリーケースを差し入れてもらっても平気か?と尋ねたところ居室までは入らないがこちらで領置して出る時に渡すのだったらOKとのことだった。

着々と保釈にむけての準備が進んでいる。保釈の許可が下りれば良いのだけど、どうなるんだろう?と不安も同時に感じていた。

再勾留8日目‐留置場出会い別れ【体験談36】に続きます。

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