過去に刑事事件などを犯してしまい逮捕されテレビのニュースや新聞、雑誌、インターネットニュース、動画再生サイト、SNSなどで実名や顔写真、逮捕されている時や送検時の動画が取り上げられてしまうと日本中いや世界中のたくさんの人に自身の逮捕歴や前科が知られてしまいます。
大手のインターネットニュースサイトでは、数週間でその記事は削除される事が多いですが、一度インターネットでそのニュース記事や動画が流れてしまうとニュースアーカイブサイトやSNSなどで拡散されてしまい半永久的にインターネット上に残ってしまいます。
過去の事とはいえ、記事や動画がインターネット上に残ってしまっていると自身は大変な不利益を受ける事になるでしょう。例えば就職活動や結婚、家の賃貸契約をする時に自分の名前を検索サイトで検索され、逮捕された時の記事や動画が出てきてしまったらどのような事になってしまうでしょうか
しかも、その記事や動画を放置しておくとインターネット上から削除されるどころではなく、どんどん閲覧する人が増えるだけではなく、今の時代には記事や動画を転載する人も現れどんどん情報が拡散されていき、さらに閲覧する人が増えていきます。
放置していたら情報がどんどん拡散され自身には甚大な不利益を被ってしまう為、その記事や動画を削除するしかありません。
しかし、逮捕歴や犯罪歴の削除には、報道の自由や国民が知る権利などと密接に関わっているので安易に実行出来ることではありません。
では、インターネット上にある逮捕歴などの情報を削除する事が出来るのか、その方法はどのようにすればよいか解説していきます。
逮捕歴と前科、何が違う?
事件を起こし又は、事件を起こしたと捜査機関から嫌疑がかかり逮捕されても検察から起訴されなければ逮捕歴になり、逮捕され検察に起訴され刑事裁判を受け有罪判決(罰金刑や執行猶予含む)を受けた場合には前科になります。
捜査機関(警察や検察など)に逮捕されたが不起訴処分になった場合が逮捕歴になります。不起訴処分になる理由としては、
- 嫌疑なし
- 嫌疑不十分
- 起訴猶予
以上の3パターンがあり、冤罪や誤認逮捕である場合があります。
ですから、逮捕歴と前科は全くの別物です。
逮捕歴や前科がインターネット上に掲載されてしまう
前科よりも逮捕歴のほうがインターネット上に掲載される場合が多いようです。テレビのニュースやインターネットのニュースサイトでは、被疑者(容疑者)逮捕の報道が注目を集めます。
事件の被疑者(容疑者)が逮捕された報道をテレビのニュースやインターネットのニュースサイトで見た人がSNSに転載したり4ちゃんねる(2ちゃんねる)に転載したりニュースのアーカイブサイトに転載したり、動画再生サイトに転載したりと瞬く間に逮捕情報が拡散されてしまいます。
しかも、転載先のサイト内のコメント欄などでそのサイトの閲覧者同士がその事件や被疑者(容疑者)について議論したりしていて、より大きく関心を集めてしまう場合があります。
一度大きく話題になってしまうとそのニュースは、雪だるま式に拡散されより多くの人の目にふれる事になります。
インターネット上に逮捕歴が実名で掲載されてしまうケース
インターネットに逮捕されたニュースが実名報道されやすいのは、どのようなケースでしょうか。
- 痴漢や盗撮、強制性交、準強制性交で逮捕された場合
- 特殊詐欺などでかけ子受け子をしてしまい詐欺罪で逮捕された場合
- 暴力事件を起こしてしまい暴行罪や傷害罪で逮捕された場合
- 薬物事件(覚醒剤・大麻・麻薬など)で逮捕された場合(所持・使用・栽培・営利目的販売)
- 飲酒運転やひき逃げをしてしまい危険運転致死罪などで逮捕された場合
- 大規模の窃盗事件で逮捕された場合
- 大規模な横領事件で逮捕された場合
上記のような事件を起こしてしまい逮捕されてしまうとインターネットやテレビで報道される事が多いようです。
また、被疑者(容疑者)が反社会的勢力(指定暴力団)に所属している人物や逆に名の通った大会社の役員や国家公務員、地方公務員も話題性や社会的影響が大きい為、実名報道されやすい傾向にあります。
逮捕歴や前科がインターネット上に残ってしまっている場合に受ける不利益
逮捕歴や犯罪歴、前科がある人の名前を検索サイトなどで検索してみると過去の情報でも検索に引っかかり、逮捕歴や前科を知られてしまう場合があります。
自分で自分の名前を検索してみて過去に起こした事件の記事を目にするのも気分が良い事ではありませんし、他にも例えば就職活動や家の賃貸契約などにも影響が無いとは言えません。
それでは具体的にどのような不利益を受ける可能性があるのでしょうか。
就職や転職
就職活動や転職活動をする際に不利になってしまう可能性が高くなります。採用先の企業がインターネットで名前を検索し、過去の逮捕歴や犯罪歴、前科を知ってしまったら、今現在更生していようがいまいがそれだけで採用を見送られてしまう可能性が高まります。最近では、採用担当が応募者の名前をインターネット検索する事を義務付けている企業もあるようです。
勤務先での影響
今現在、企業に勤務している場合、会社や同僚、上司や部下などに過去の逮捕歴や犯罪歴、前科が知られてしまうと会社内で噂をされたり、時には左遷させられたり最悪の場合、懲戒解雇や諭旨解雇などの懲戒処分を受ける可能性が高くなります。もしその事実を知られてしまえばその会社での昇進や出世は難しくなるでしょう。
恋愛や結婚
インターネット上に逮捕歴や前科が残っていると異性との恋愛や結婚する時にも不利益を受ける可能性があります。もし、異性との交際が始りそうな時に過去の事実を相手に知られてしまえば交際自体むずかしくなるでしょう。交際中の相手が居る場合でも前科や逮捕歴がばれてしまえば関係が破綻してしまうこともあります。交際中の相手と結婚の話になりその段階で相手に逮捕歴などが知られてしまえば結婚はやめておこうと考える人は多いと思いますし、相手の親や親戚がインターネット上の実名報道を見つけてしまう可能性もあります。
賃貸借契約
住居や事務所の不動産賃貸借契約を結ぶ際には入居審査を受ける事になります。最近ではその際に不動産業者は借主の名前をインターネット検索する事が多いようです。もし、逮捕歴や前科が不動産業者に知られてしまえば入居審査に落ちてしまい家を借りる事も出来なくなってしまいます。このような状況が続けば自分の気に入った物件に入居することも難しくなってしまいます。
家族や親戚に与える影響
前科や逮捕歴が多くの人に知られて不利益を受けるのは本人だけではありません。前科や逮捕歴、犯罪歴が周囲の人に知られれば色々な事を言われてしまいます。色々言われるのも本人だけでなく家族や親戚までも周囲に色々言われ変な目で見られることもあります。犯罪者の身内だという目で見られ近所では陰口を言われ精神的に参ってしまう場合も多々あります。
このようにインターネット上に過去の逮捕歴や前科、犯罪歴が残っていると本人もその家族、親戚までも多くの問題を抱えてしまう場合があります。
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