拘置所や刑務所での面会事情

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以前の記事【留置場の面会(接見)】では、留置場への面会について説明しましたが刑事収容施設の中でも今回は拘置所や刑務所の面会事情を紹介します。

拘置所や刑務所などの刑事収容施設に収容されている被収容者との面会は、留置場に収容されている被留置者との面会と同様、法律や規則などによって制限などありますが基本的に認められています。

拘置所や刑務所の面会には、全収容施設統一の一般的なルールが定められていますが各刑事収容施設によって細かい部分の運用が違っていたりするようです。留置場でも同じで各警察署によって面会のルールの運用が違っています。これを「ローカルルール」と呼んでいるようです。

拘置所や刑務所での面会

受刑者(既決者・懲役)との面会について

誰でも受刑者と面会出来る?

留置場に収容されている被疑者や被告との面会は、被留置者が拒否しなければ誰でも出来るのと違い、受刑者(既決者・懲役)との面会は、誰でも出来る訳ではありません。

では、収容者とどのような関係の人が面会出来るのでしょうか。

  • 親族 

※親族には、婚姻届けを提出していないが、事実上婚姻関係(内縁関係)にあると収容施設が認めた人も内縁の夫、妻として含まれます。

  • 婚姻関係の調整,訴訟の遂行,事業の維持その他の受刑者の身分上,法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な人

具体的には、婚姻関係や親権関係、子供の養育や相続問題、雇用の関係、受刑者が経営している会社などの重要な処理や方針の決定についての相談、受刑者に面会する必要があると認められた人や民事訴訟や再審請求などについて委任をされている弁護士などです。

※上記に該当する方でも次のいずれかに該当する場合は、面会が認められない場合があります。
× 面会する必要性を示す確認資料などを持参しておらず、刑事収容施設で面会の必要性が判断できない場合
×金銭の少額の貸し借りなど受刑者にとって重大な利害に関わる事案と認められない場合
×受刑者の釈放が近く予定されていて釈放後に事案を処理すれば問題なしと認められる場合や手紙のやり取りで処理が出来ると認められる場合などその時点で面会する事を必要と認めることが出来ない場合

  • 受刑者の更生保護に関係のある人,受刑者を釈放後に雇用しようとされる人(企業)など面会により受刑者の改善更生に資すると認められる人

※上記に該当する方でも次のいずれかに該当する場合は、面会が認められない場合があります。
× 釈放までに相当の期間がある場合や雇用の見込みが現実的ではないと判断された場合
×雇用しようとしている人や雇用先の企業が反社会的勢力(指定暴力団など)に関係している場合

  • 親族や受刑者の更生保護に関係のある人に該当しないけど交友関係の維持やそのほか面会をする必要があり、面会により刑事収容施設の規律や秩序を害するおそれがない人、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障をきたすおそれがないと認められる人で刑事収容施設が面会を認めた

※上記に該当する方でも次のいずれかに該当する場合は、面会が認められない場合があります。
×面会を希望している人の身元が明らかでない場合
×面会を希望している人と受刑者が社会内で以前から継続的に関係がある事実を刑事収容施設が 客観的に確認できない場合
× 面会を希望している人が反社会的勢力(暴力団など)の場合

拘置所や刑務所で受刑者と面会できる日、受付時間

拘置所や刑務所で面会できる日は、平日に限られます。(月曜日から金曜日まで)
※土曜日・日曜日・祝日及び12月29日から1月3日までは、面会する事が出来ません。

面会をする為の受付時間は、午前8時30分から午後14時ぐらいまで(昼休み時間には受付が出来ません)
※受付時間は施設によって異なる事がありますので各施設に確認が必要です。
※昼休みの時間帯の直前に受付をすると実際の面会は午後になってしまう事もあるようです。

拘置所や刑務所で受刑者と面会できる回数

受刑者と面会できる回数は、受刑者自身が収容施設で指定されている5段階の優遇区分によって異なります。

第1類の受刑者 毎月7回以上で各施設が定める回数
第2類の受刑者 毎月5回以上で各施設が定める回数
第3類の受刑者 毎月3回以上で各施設が定める回数
第4類と第5類の受刑者 毎月2回以上で各施設が定める回数

※5段階の優遇区分が指定されていない受刑者は、毎月2回以上で各施設が定める回数になります。

一回の面会時間の長さ

30分を下回らない範囲で各施設が定める時間。
※面会時間の長さは、法務省令で30分以上とされていますが刑務所職員数や面会室数、面会の申し出の状況、そのほかの事情でやむを得ないと認められる時は、5分を下回らない範囲で短縮されてしまう事があります。実際の運用では、15分程度の面会が多いようです。

面会の定員

一人の受刑者と一度の面会で同時に面会室に入れるのは、概ね3人程度とされています。各施設で異なる事もありますので確認が必要です。施設が指定する人数以上の人が同時に面会する事は出来ません。

面会の手続き

受刑者との面会を希望している人は、各施設の窓口に直接行き、所定の申込用紙に記入し申し込みをします。申し込みの際に刑務所職員に身分証明書(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)の掲示を求められたり受刑者との関係や面会の目的を質問されたり受刑者との関係資料の掲示を求められる事があります。

面会時の注意点

  • 施設職員の面会立会いなど

  面会時に施設職員が同室で立会いをしたり、面会の状況を録画・録音・記録などをとります。

  • 暴力的行為の禁止

  室内の備品を破壊しようとしたり、遮蔽板を叩くなどの行為が発覚した場合、面会を一時停 止又は終了させられる場合があります。

  • 手話による会話での面会

  面会時に手話による会話が必要な場合、手話を解する職員が立ち会うことで可能となります。手話を解する職員は常時待機している訳ではないので手話による会話が必要な場合、面会日時予定をなるべく早く施設へ連絡する必要があります。また、手話を解する職員が用意できないなどの場合には、筆談による面会を施設からお願いされる場合があります。

  • 外国語による会話での面会

  外国語での面会は、予め施設が許可した場合以外出来ません。

  • 面会室への持ち込み品制限

  面会室へ持ち込み出来ない物品は、携帯電話(スマホなど)、パソコン、ビデオカメラ、カメラ、録音機などの電子機器や危険物(刃物や薬品など武器となりえるもの)やたばこ、酒などの嗜好品。場合によって面会の受付時に手荷物を預けなければならない場合や施設職員による所持品検査を行う場合があります。

未決者(未決拘禁者・被告)との面会について

誰でも未決者と面会出来る?

拘置所や刑務所に収容されている未決者(未決拘禁者・被告)との面会は、基本的に誰でも出来ます。

拘置所や刑務所で未決者と面会できる日、受付時間

拘置所や刑務所での面会は、受刑者、未決者ともに平日に限られています。

拘置所や刑務所で面会できる日は、平日に限られます。(月曜日から金曜日まで)
※土曜日・日曜日・祝日及び12月29日から1月3日までは、面会する事が出来ません。

拘置所や刑務所で未決者と面会できる回数

一人の未決者に対し1日1回。

※受刑者の面会のように月に何回とは決まっていません。

一回の面会時間の長さ

30分を下回らない範囲で各施設が定める時間。
※面会時間の長さは、法務省令で30分以上とされていますが刑務所職員数や面会室数、面会の申し出の状況、そのほかの事情でやむを得ないと認められる時は、5分を下回らない範囲で短縮されてしまう事があります。実際の運用では、15分程度の面会が多いようです。

面会の定員

一人の未決者と一度の面会で同時に面会室に入れるのは、概ね3人程度とされています。各施設で異なる事もありますので確認が必要です。施設が指定する人数以上の人が同時に面会する事は出来ません。

面会の手続き

未決者との面会を希望している人は、各施設の窓口に直接行き、所定の申込用紙に記入し申し込みをします。申し込みの際に刑務所職員に身分証明書(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)の掲示を求められたり未決者との関係や面会の目的を質問されたり未決者との関係資料の掲示を求められる事があります

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