勾留19日目‐警察官の言葉【体験談26】

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突然逮捕されてから21日、勾留されてから19日目。勾留の満期は最長20日間なので今日も含めてあと二日。明日には起訴されるか不起訴になるか確定する。もし起訴されれば被疑者（容疑者）という立場から刑事被告人という立場に変わる事になる。起訴されて被告人となると刑事裁判を受けなければならない。日本において起訴され刑事裁判を受けると罪状などによっては99％以上有罪になると言われている。

そうなってしまうと前科者になってしまって日本で生きていく上で色々な制限を受けてしまう事になる。日本だけではなくアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリアなどの入国審査が厳しい国への入国も厳しくなってしまう。（各国の大使館に問合せしVISAが発給されれば入国できることもある）

全ては自分の蒔いた種だし受け入れて生きていくしかない。

さて、どうなってしまうのか。弁護士が言うには起訴される流れの様だ。100％とは言い切れないらしいが。

ここまで来てしまえば起訴されるのも仕方ないし、どうにでもなれって感情だったと思う。ただ早く保釈なり何なりで外に出してほしかった。

この事件に関しての捜査はもう終わっていたし、ただただ留置場という場所で時間を過ごしているだけで本当に無駄な時間を過ごしているだけだった。

留置場生活にも相当慣れてしまって接見禁止というものまで付き、あまりにも非日常的な生活に自暴自棄になっていた自分が居た。多分そんな心情が生活態度にでていたのか洗面の時間にある警察官に留置場の隅に呼ばれ言葉をかけられた。

「こんなとこに慣れちゃダメだぞ。別に終わったわけじゃない。この意味わかるよな？」

そんな言葉をかけられて自暴自棄になってしまい投げやりになっていた自分に気付くと同時に警察官でも自分みたいな人間をきちんと人として見てくれて親切な言葉をかけてくれる人も居るんだなと思い、

「わかります。」

と短く返事をし、これからの自分の身の振り方などを考え直すきっかけになり、あの言葉のおかげで前向きに考えられるようになった。

あの名前も知らない警察官の言葉が心に沁みた。短い言葉のやり取りだったけどありがたかったし感謝しているし助かった。

この日は、あの警察官とのあの短い会話を思い返し、考え事をしながら小説を読み過ごしていた。昼間に刑事が来て取調室に連れ出されたが特に調べをするわけでもなく雑談をする程度。ちなみに「自弁食ったか？」とか聞かれた。