第三回公判の日 判決公判【体験談47】

判決裁判官 逮捕体験談

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いよいよ判決公判の日がやってきた。

突然の逮捕から約6ヶ月、今日で一連の事件が終結する。いや、違うかも判決が出る今日から始まるのかも。

最初の事件で逮捕されてその日の内に留置場に入れられそこから勾留20日、計23日。余罪で再逮捕され勾留10日間、保釈まで計16日。留置場での生活は合計で約40日。長かったような短かったような。

こんな経験は、私の人生の中で経験しなくても良かったことだが経験してしまった今、これをバネにこれからの人生を突き進んで行くしかない。自分の責任ではあるものの大きなハンデを背負ってしまった。

判決公判の日の弁護士との待ち合わせは、前回、前々回公判と同様に地裁から近くの駅だった。

いつも通り余裕を持って家を出て待ち合わせ場所へ。少し遅れて弁護士の先生。

弁護士の先生が「早速行きますか」と歩き出す。公判は3回目だったけどほとんど同じ流れで地裁へ向けて歩いた。

地裁に入り1階を見渡してみると共犯関係者一人の姿を確認した。彼もまた選任している弁護士とベンチに座って何やら話しをしていた。こちらに気付き会釈をしこちらもそれに返した。

それから例の刑事二人組。ご苦労な事に私達の公判3回とも傍聴に来ているようだ。何の為に?その真相はこれを書いている今でもわからないままだ。

判決公判の日は、身体検査・所持品検査があると聞いているのでいつもより早めに法廷の前へ向かい近くのベンチに座り待機した。

時間近くになり裁判所事務官が外に出てきて身体検査・所持品検査の説明を始める。法廷の前の扉から一人ずつ入廷してそこで検査をするという事で入廷の順番も指定された。私は一番最後。

共犯関係者が一人ずつ入廷して行く。前の人の検査が終われば次の人が呼ばれ次々入廷して行く。そして私が呼ばれたので法廷の前の方の扉から入廷した。前回と前々回は後ろの扉から入廷していた。

中に入ると傍聴席からは見えないようにアコーディオン衝立が設置されていて、二人の警備員みたいな人がそこに居た。一人がお盆みたいなものを持っていて全ての所持品をそこに置いてくれとの事だった。私は小さい財布と車のキーしか持っていなかったのでそこに置いた。所持品を置くと、金属探知機を持ったもう一人が体に隈なく探知機を当てた。探知機が私の背中を当てた時に金属が反応し探知機の音が鳴った。私が上着を脱ぐとジレのフラップに付いている金具が反応していたようだ。

身体検査・所持品検査を済ませ被告人席に着いた。

いつものように検察官が調書など書類を風呂敷に包み運んでくる。一番最後に裁判長が入廷し判決公判は開廷した。

私を含めた被告人は、裁判長の正面の証言台で横一列で並び裁判長を見つめた。公判では毎回の事だが一人ずつ人定質問(名前・生年月日・住所・本籍地の確認)をされる。いよいよ判決が言い渡される。

被告人が複数人居るのでその一人一人に裁判長が判決を言い渡していく。「主文、被告人○○を懲役○年罰金○○万円に処する。但し、この裁判が確定してから○年間その執行を猶予する。」裁判長は、主文の後にその理由を述べていく。

ついに私の番が来た。「主文、被告人○○を懲役2年6ヶ月、罰金180万円に処する。但し、懲役に関してはこの裁判が確定してから5年間その執行を猶予する。

判決が言い渡され裁判長がその理由を述べていたが私の耳にあまり入ってこなかった。実際、判決を言い渡される段になったらド緊張してしまって頭の中が真っ白になっていた。

執行猶予5年って懲役一歩手前じゃないですか。こんな言葉は不謹慎かもしれないが、かなり危なかった。とか、裁判長を目の前にして頭の中で考えていたらなぜか笑いが止まらなくなり堪えるのがやっとだった。

全ての判決の言い渡しが終わると、裁判長は上訴の期間と上訴申立書を提出する裁判所を述べて、閉廷。あっけなくこの裁判は終わった。

弁護士の先生と退廷し立ち話をした。弁護士は「保釈金の返却の件ですが、すぐに裁判所から戻されると思うので今週中には振り込みます。今日言い渡された判決は2週間後に確定します。」などと言っていた。

私はそれに対し「わかりました。」と控えめな返事をし、「あと、気が早いかと思うんですが僕って執行猶予になったんですよね?2週間後から。普通の生活は送れるんですか?」と弁護士に質問した。

弁護士は「有罪判決を受けたので国家試験に制限が有ったり、取れない免許、色々あると思いますから何かやる前には必ず調べて下さい。あと、海外旅行とかは、外国で入国拒否される場合があるので行こうとする前にその国の大使館なりに連絡を取って聞いてみたほうが良いですよ。まあ、私も相談に乗りますので何かあったら連絡してください。」みたいな事を言っていた。

私は「ありがとうございました。今まで本当にお世話になりました。先生のおかげで色々な面で助かりました。本当にありがとうございました。」と頭を下げ、先生と別れた。

共犯関係者達もそれぞれの弁護士と話していた。

私は地方裁判所の一階に降りて、仲間たちを待っていた。もう、判決を受けたし被告人じゃなければ、保釈中でもないからね。

久々に仲間達と堂々と会話できることが本当にうれしかった。

逮捕されてから約半年間、全く話していない仲間が居たので話もかなり盛り上がる。逮捕された日の事だとか、刑事の取調べの事だとか、話は尽きなかった。

こんな裁判所で立ち話も何だからメシでも食いに行こうぜって事で私の車にみんなで乗り込み裁判所を後にした。

刑が確定した日【体験談48】に続きます。

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