送検‐検事調べ(前編)【体験談5】

護送車 逮捕体験談

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この日もあまり眠れないまま起床の時間になった。どんなに体が疲れていても朝方に少し眠れたか眠れなかったか位のすごく浅い睡眠だった。

今日は、検察庁に連れていかれる事を昨夜留置場担当警察官から聞かされていた。ついでに6番からも検察庁の待ち時間の長さや厳しさ辛さ、むしろ地獄だという事を聞かされていた。

送検される人は朝食を終えてから早めに運動をする。検察庁に連れていかれる護送車が8:30ぐらいに迎えに来るからだ。

この日は、入浴の日だったので運動後に入浴した。逮捕されてから風呂に入れなかった事と家の風呂よりは広い風呂、一番風呂だった事で爽快な気分だった。

いつもは、当たり前のように入ってる風呂がこんなにも気持ちの良いものなのかと。入浴後少し情けない気分になった。

留置場の入浴事情について詳しくはこちら↓

留置場の入浴事情
留置場での入浴は、夏は週に2回、春秋冬は5日に1回で、時間は20分をストップウォッチで測られて、監視状態で入ります。不自由な状態での入浴ですが、ストレス解消の大きな楽しみです。基本的に複数人一度に入ります。

この日この警察署から送検されるのは3名。中国人、未成年の少年あと自分。

出発前の準備で手錠、腰縄が付けられる。その腰縄は3人一繋ぎにされる。繋がれてから少し待っていると護送車がこの警察署に到着したようだった。

3人繋がれたまま留置場担当警察官に連れられ階段を下りて行き、外に出ると護送車が止まっていた。しかも周りには沢山の警察官。制服の警察官も居ればスーツの警察官、私服のラフな格好の警察官。

沢山の色々な警察官に見送られバスに乗り込むと中には手錠をかけられているお仲間さんでほぼ満員だった。

座る場所を指定されそれに従う。腰縄を外され今度はバスに乗っている人全員一本の腰縄で繋がれた。たしか20人ぐらいだったかな。

護送車は、警察署から地方検察庁へ出発した。護送車は警察署をいくつか回りそこで容疑者を拾い地方検察庁に向かうシステムだ。自分が居た警察署は最後の警察署だったから次の行き先は検察庁だった。

護送車から見る景色は少し気が晴れる。ずっと檻の中に囚われていたから。それと同時に外に居る人が幸せそうに見える。自転車に乗っている主婦、散歩をしているおじさんおばさん、車を運転している人、何でもない普通のことがすごくうらやましく感じた。

地方検察庁に到着。自分たちを乗せた護送車は地下の出入り口に着けられた。全員が一本の縄で繋がれているので縄の先端の人から順番に護送バスを降りていく。

それを怖そうな警察官がバスの乗降口に立ち「一名、二名、三名・・・」と数えている。すごい大きな声と真剣な眼差しで。

そのまま一行は、地方検察庁の地下出入り口から中へ。その出入り口にも警察官が居て「一名、二名、三名・・・」こちらもすごく大きな声で真剣な表情で。

えっ!!今そこで数えていたのにまた数えてる。普通にそう思った。

そのまま真っ直ぐな廊下を腰縄で繋がれた自分たち一行がゆっくり歩いて角を曲がるとそこには鉄格子の扉がありそこにもまた警察官が居て鉄格子を開けることを大声で支持すると自動で鉄格子が開きそのまま中に歩いていく。そこでもまた「一名、二名、三名・・・」またまた数えている。

しかもそこの雰囲気は今までに感じたことのないような緊迫した雰囲気を醸し出していた。後ろのほうで「以上〇名異常なし!」みたいなことが聞こえた。正直、大変な所に来てしまったなと思った。

送検‐検事調べ(後編)【体験談6】に続きます。

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