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昨夜は一晩中長い時間、留置場内が騒がしくてあまり眠れなかった。騒がしい時はまあまああるけど、昨晩は長かった。騒がしくなくても明るかったり精神的にきてたり色々通常じゃないい状況にあまり眠れないけど。留置場では、眠れなかったり精神が不安定だった時、申し出れば睡眠薬や安定剤の処方を受けられる。でも私は、睡眠薬とか安定剤は服用したくなかったので手をださなかった。
起床後、いつものように布団をパッと畳んで布団倉庫に片付ける準備。そのうち担当さんが私達の居室扉の鍵を開けて布団を抱え倉庫へ。
そこでグレーのスウェット上下を着た見た事がある顔の人物が布団倉庫から出てきた。
えっ!もしかして、6番さんですか?戻って来ちゃったんですか?(私がこの留置場に入ってきたときの同居人でここの規則など教えてくれた人物)
彼は、相変わらず前歯がない何故か幼さが残る顔で「祭りで痴漢の容疑で逮捕されましたー。やってないんだけど。」と留置場内全体に響き渡る声で答えた。
昨夜暴れて留置場内を騒がしくしていたのは6番だった。
私は心の中で「何だコイツ。こんな早くこんなとこに戻ってくる奴なんているの?おかしい奴だな。しかも酒を飲んで痴漢の容疑って、恥ずかしくないのかな」と思いはっきり言ってあきれた。もう関わらないでおこうと思った。
居室に戻り掃除、洗面と朝の日課をこなし、朝食。朝食の間、もう関わらないでおこうと思ったものの6番の事を考察していた。
世の中こんな人も居るのかな?酒が悪いのか?そもそも6番自体が初めからそんな人なのか?想像しても何にも答えはわからなかった。まあ、いいや。やっぱり関わらない事が一番。
まさかの再開は、感動的なものではなく何か虚しいような悲しいようなものだった。
担当さんが私達の居室前まで歩いてきたと思ったら「15番手紙が来てるよ」と言って目の前で封をきり、「チェックしてまた後でもってくるから」といって去っていった。
差出人は彼女からだった。出した手紙の返信が来たのか。手紙で直接連絡取れる事はすごくうれしいけどやっぱり手紙のやり取りはすごく時間がかかる。
手紙が手元に来て読んでみると、「気を落とさないで頑張って。外の事は私に任せて遠慮せずにやることがあれば何でも言って」のような事が書いてあった。
時間がかかると言えどもやはり直接彼女が書いた手紙を直接読めるのはうれしかったし、何とも言えない気持ちになり心に沁みた。
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