再勾留5日目‐自由が利かない中、恩を仇で返される【体験談33】

恩を仇で返す 逮捕体験談

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接見禁止が解かれた事で気持ち的にはすごく楽になった。接見禁止中でも弁護士を通してなら連絡は取れたんだけど、やはり直接手紙のやり取りが出来たり面会が出来る事は相当うれしい事だった。

警察の取調べの予定も今日はなし。取調べはすごい嫌いだけど無きゃ無いで留置場の居室(檻の中)に閉じ込められ自分の意志では外に出れず何もやる事も無いから本を読んだり手紙を書いたり日記を書いたりするしかない。それも檻の中には机もテーブルも何もない部屋だから物書きするには姿勢も辛いし。長時間続けてする事は難しい。

昨日、手紙と一緒に差し入れされた週刊誌をこんなニュースがあるのか、とかこんな話題があるのかとか思いながら隅々目を通す。普段の生活では週刊誌を読むなんて習慣はないんだけど。

同室の同居人も本とか雑誌の差し入れがたくさん入る人で本当は規則違反だけど本の貸し借りをして暇を凌いでいた。自分たちの居室では差し入れ品の本が豊富に揃っていたので週刊誌類は被る事も多かった。

昼前ぐらいに担当さんが手紙を持って居室の前までやって来た。「速達で手紙が来てるよ。チェックして後で持ってくる」と言って、一緒に手紙の封を切ってまた戻っていった。

差出人は彼女だったけど手紙をわざわざ速達で送ってくるってどうしたんだろう?心の中で嫌な感じがした。早く手紙を手元に持って来てくれって思い気分が落ち着かなかった。

しばらくすると担当さんが速達の手紙を持ち居室の前で「問題なかったよ」と言いながら手紙を手渡してきた。

早速手紙を読んで内容を確認してみると信じがたいものだった。

それは、今まで5年以上に亘りお金や仕事、生活、遊びに至るまですべてにおいて面倒を見てきた部下が仕事の顧客や仕事に使う為の商品、事務所の家電などの備品を勝手に奪い、しかも私の両親や彼女に多額の金銭を要求してきているという内容だった。

手紙を読み終え流石に頭に血が上った。と同時にこれはどうしたものかと思案した。

私が信じていた人間に裏切られるのは、仕方ない事だと思う。そんなクソみたいな人間はこの世の中には沢山存在している。沢山見てきた。私の責任である。

しかし、そのままにしておけば私の両親や彼女に迷惑をかけてしまう。このままにしてはおけないが何せたった今の私には自由が無く自ら出向くことも出来ない。

まず、担当さんに私が選任している弁護士を接見の為に呼び出してほしいと伝えた。被疑者には、いつでも選任している弁護士と接見する権利がある。こちらから呼び出すことも可能である。(先生の忙しさや契約によります。)

留置場に勾留されていると外への手紙は一日一通しか出せない決まりがあるから両親か彼女かどちらか片方にしか出せないので悩んだ末、彼女に手紙を書くことにした。

内容を簡単に書くと「状況をいち早く教えてくれてありがとう。すぐに自宅にあるだけの現金を持って一時的に実家に帰ってほしい。迷惑かけて悪かった。彼からの連絡があった場合電話に出る必要はない。すぐに弁護士経由で連絡をする。」というものだった。速達で送るよう担当さんにお願いした。

次に弁護士が接見に来た時に両親宛ての手紙を宅下げしてもらい届けてもらうように両親あての手紙を書いた。

「誰に何を言われても何も渡す必要もないし、ましてやお金なんて払わなくてもいい。会社関係の支払いや入金関係は彼女に任せていてきちんとこなしているからお金の面で人様に迷惑かけてないから。」というような内容で手紙を書いた。

手紙を書き終えると担当さんが「弁護士先生に連絡着いたけど今日は遅くなるって。でも絶対来るって言ってたよ。」と言ってきた。弁護士も毎日毎日忙しそうである。

弁護士を待っている間、イライラしながら色々考え事をしていた。弁護士が訪れないまま夕食の時間が過ぎ、洗面の時間が過ぎ、消灯の時間まで過ぎてしまった。

布団に横になっているがこんな状況で眠れるわけもなく弁護士の到着を待っている。

そうこうしていると担当さんが私を呼びに来た。消灯後だったので小声で「弁護士先生来たよ。」と。

自分のロッカーから書いておいた手紙とノートを取り出し、担当さんにボールペンを借りて接見室に入る。夜の12:00を少し回った時間だった。

弁護士に今の状況を説明しこの手紙を今日中にFAXでもいいから両親に届けてほしいとお願いした。彼女のフォローもお願いした。あと、その裏切った彼に連絡を入れて金銭の要求の件は何なのか聞いてほしいとお願いした。

弁護士はその彼に私からの業務連絡を何回も伝えている為、電話だけだが面識がある。

弁護士は「そんなお金なんて両親や彼女から取れないですよ。取られたら大変な事ですよ」と楽観しながら話していた。その話しぶりに私は安心した。

一通りの話しやお願いをして弁護士は帰っていった。

自由が無いから頭の中では考え事や心配事ばかり。今夜も眠れそうにない。

再勾留6日目‐起訴される見込み【体験談34】に続きます。

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