地方裁判所‐勾留質問(前編)【体験談7】

東京地方裁判所 逮捕体験談

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6:30起床の時間。留置場で迎える朝も4回目になり人間は不思議なものでこんな環境にも少しづつ慣れてきてしまう。

しかし、いくら慣れてしまってもあまり眠れないのは変わらず起床前の2~3時間ぐらい前にごく浅い睡眠に入るぐらい。

起床の合図で目を覚まし体を起こすと廊下側は鉄格子に金網がかけてある殺風景な小汚い部屋。自由にその扉を開ける事も出来ない。これは現実なんだなって実感して最悪の気分で朝を迎える。

同居人6番はそんな中でもいびきをかいて気持ちよさそうに眠っている。

昨日に続きこの日も自分は留置場から護送車に乗ってお出かけの予定なので朝食が済んだら早めの運動をしてから出かける準備。出かける準備と言っても着の身着のまま行くだけなのでハンカチを持って心の準備だけ。

お出かけメンバーは、昨日と同じ中国人、少年、自分。三人ともに手錠をかけられ腰縄一本で繋がれた。昨日と全く同じ状況だ。

昨日より護送車の到着が遅れているみたいでその場で少しの時間待たされ、留置場担当警察官と雑談をしていると護送車到着の連絡が入ったらしく出発となった。

三人腰縄で繋がれ留置場担当警察官に誘導されながら警察署の裏口へ続く階段をゆっくり下りて行き裏口を出ると護送車が横付けされていてその周りには制服私服色々な警察官。昨日とほぼ同じ光景だった。きっと毎日同じ事が繰り返されているのだろう。

昨日は、検察庁に連れていかれたが今日は裁判所に連れていかれると聞いている。

相変わらず護送車の中から見る外の景色は、平和そうだし歩いている人、自転車に乗っている人、車に乗っている人、誰もが幸せそうに見える。昨日は気が晴れたような気がしてたけど今日は自分だけ取り残されているような疎外感に苛まれる。

外を眺めていると地検に到着したようだ。護送車は地下の出入り口に着けられた。腰縄一本で繋がれた数十人が護送車から順番にゆっくりと降ろされ怖い顔をした警察官が「一名、二名、三名、・・・」と数えている。昨日と全く同じ光景だ。

裁判所に行く時でも昨日の様に一度検察庁の中に入り点呼を受けそれから裁判所に行くグループに別けられ護送車に乗り裁判所に向かう流れになっている。

地検を出発し再び護送車に乗り地裁へと向かう。数分で地裁につき地検と同じ様に地下の出入り口に護送車が着けられそこで降ろされる。そこでまた怖い顔の警察官が「一名、二名、・・・」また数えてる。うんざりだ。

地裁の地下出入り口から入り一本の縄で繋がれた自分たちは比較的大きな部屋に連れていかれ今日のスケジュールと地裁での規則を説明され2畳ほどの待合室に二人ずつ振り分けられそこで自分の順番が来る時を待たなければならない。その2畳ほどの待合室の中は硬い木のベンチとトイレがむき出しでおいてあるだけの部屋だった。

昨日に引き続き手錠をかけられっぱなしで硬い木の椅子に座り一言の会話も許されないままただひたすら待機。地獄の様な長い時間の始まりだった。

勾留質問‐地方裁判所(後編)【体験談8】に続きます。

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