送検、地方検察庁へ-逮捕後72時間以内

検察庁 留置場情報

「○○容疑者を送検しました」「△△容疑者を書類送検しました」

このワード、みなさんも ニュースなどで 一度は耳にした事があるのではないでしょうか。

以前の記事、「逮捕されてからの流れ」に記述したように警察などに逮捕されると48時間、警察によって取り調べが行われます。この48時間の間に警察は、送検に必要な書類作成や証拠品の整理などして捜査権を検察に引き渡す準備を行います。

その後24時間以内に警察から地方検察庁(地検と呼ばれています)に送検され検察からの取り調べを受ける事になります。つまり逮捕されてから72時間以内に地方検察庁に送検され検察へ捜査権が移ります。

刑事事件における警察と検察の役割

刑事事件の捜査は、事件が発生しその事件が捜査機関に発覚した時に始まります。

検察官が事件を見つけて自ら捜査をする事も稀にありますが、それは大きな経済事件や政治がらみの事件のほんの一部に過ぎません。

日本における圧倒的大部分の刑事事件は、警察官が事件を見つけ捜査を開始します。

刑事事件が発生し、発覚した時の初期の段階の捜査を初動捜査と呼び、事件現場検証や鑑識活動、近年では防犯カメラもいたるところに設置されている為、事件に関係している場所の防犯カメラの保全などを行います。

初動捜査は、刑事事件の種類、犯罪の種類で様々な操作があり上記している初動捜査だけではなく多岐にわたります。

警察官・検察官

警察官は、刑事事件の被疑者(容疑者)を起訴して裁判にかける権限がありません。ですから刑事事件の初動捜査をし、被疑者(容疑者)の身柄や証拠品などを検察に送ります。

検察官は、警察官の捜査であがってきた証拠品の精査や被疑者(容疑者)の取調べをさらに行い、起訴をして裁判にかけるか否かを判断します。

刑事事件の裁判になった場合、警察官は裁判の当事者ではないので基本的には裁判に参加することが出来ませんが、取調べをした警察官が検察側の証人として出廷する事もあります。

検察官は、刑事裁判の当事者になるので被告人の有罪を立証するために活動します。

送検、新件調べ

警察などの捜査機関に逮捕された後、基本的には3日目の朝に地方検察庁に送検され検察官(検事)による取り調べを受ける事になります。当該の刑事事件で検察から初めて受ける取り調べを新件調べと呼びます。

検察庁に行く時には、護送バスが近隣の警察署(留置場)を回りその日送検される被疑者を集め検察庁へ連行します。

各留置場から地方検察庁に護送車で送る事を「順送」と呼ばれています。

大きな刑事事件の被疑者や有名人、芸能人の場合、他の被疑者の注目を集めてしまいトラブルの原因となってしまう事もあるので単独護送と言って、警察のバンなどで一人で護送されることもあります。

検察庁に着くと被疑者たちは地下にある同行室と言う場所で待機する事になります。同行室は、鉄格子、金網付きの部屋に木の硬いベンチ式の椅子が部屋の両サイドにあり部屋の一番奥には衝立があるだけのトイレが付いている部屋です。そこに8名程入れられ検事の呼び出しをひたすら待つことになります。

地方検察庁同行室の見取り図

数々の逮捕経験者にインタビューをしていますが、みんな口を揃えてこの同行室で待機と言うのが逮捕経験の中で一番辛い時間だと口にしています。人生の中で一番長い時間に感じたと言っている者も少なくありません。

時計も何もないただ殺風景な部屋の木で出来た硬いベンチ式の椅子で他の被疑者とは足が触れるほどの距離、手錠をしたまま私語も許されず、いつ検事に呼ばれるかもわからない状態でそこで待たされるのです。

そして、自分の担当検事からお呼びがかかり、腰縄を装着され担当検事の執務室に連行されます。

検事の執務室は、すごく広く明るく同行室に比べると広さが3倍ぐらいあります。

執務室に入ると検事の正面に座り、早速取調べが始まります。

検事調べでは、警察での取調べで作成された調書に基づき取調べを進めていくので警察から聞かれた事と同じ様な事が繰り返されますが、警察には起訴する権限が無く、検察には起訴する権限がある事と同じ様な話でも検察と警察では話の取り方も違う可能性があるので警察の取り調べ以上に検事調べは慎重に供述したほうが良いでしょう。起訴されるかされないかは、検察の判断が全てです。

検事調べ(新件調べ)が終わり、再び同行室に戻され他の被疑者全員の検事調べが終わるまで狭く硬い木の椅子でいつ終わるかも分からないままただひたすら待つ事になります。

その日地検に連行されている被疑者全員の検事調べが終わると全員まとめて何台かの護送車に振り分けられ各留置場に戻ります。

地方検察庁から護送車で各留置場に返すことを逆送と呼んでいます。

検事調べ(新件調べ)を受けたら検事はその日の内にどのような処遇になるか決定し被疑者に伝えます。

処遇には、勾留請求や微罪処分で釈放、示談成立などで釈放などがあります。

しかし、刑事事件の種類にもよりますが2~3日程度では事件の解明も難しいのでほとんどの場合、勾留請求されてしまいます。

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